理事長メッセージ

背景

理念と行動を社会と共有する
広報・情報人材の育成を通じて社会の一翼を担います。

学校法人 先端教育機構 社会情報大学院大学 理事長 東英弥

学校法人 先端教育機構
社会情報大学院大学
理事長 東 英 弥 (あずま・ひでや)

博士(商学) 1978年からこれまで11社起業し、現在、(株)宣伝会議を加えた12社を経営。事業の傍ら、東京大学大学院新領域創成科学研究科等で学び、理論と実務の融合を実践する。(株)宣伝会議では、マーケティング・コミュニケーション分野を網羅するメディアと、その根幹をなす「人間会議」「環境会議」を発刊している。現在、(株)宣伝会議代表取締役会長のほか、青山学院大学、東京国際大学で客員教授。日本広報学会理事、地域活性学会理事。東京国際大学理事・評議員。早稲田大学、多摩大学大学院でも客員教授を務めた。第3回全広連日本宣伝賞吉田賞受賞。博士(商学)著書に『統合型ブランドコミュニケーション』(早稲田大学出版部、日本広報学会賞 教育・実践貢献賞 受賞)。

メディアが発達し、細分化した市場の上に高度な情報化が進む現代社会では、誰もが一次情報に触れる機会を有すると同時に、情報発信者になることが日常のこととなっています。常に情報の発信側に存在した企業などの組織は、従来の考え方を一新し、自らの置かれた状況を察知し把握しながら、社会とのコミュニケーションを通して成長する仕組みを形成していかなければなりません。

 

各企業は、理念に基づき広報活動を行う必要があります。社会の中でいかに存在するか、この先どの方向を目指すかについて、「広く報告する」広報は、企業経営そのものです。企業の意思とも言える理念に対し、理解や共感を得続けることができれば、企業は社会の一翼を担いながら永続的に発展し成長を遂げることになります。実際、もはや社会の共感を得られなければ、企業活動が続けられない時代ともいえるでしょう。

 

常に時代は変化しています。現実の社会の動向と、新たな社会価値の接点を見出す役割が広報に問われています。刻々と変化する社会の中で、企業、行政、自治体、各種機関、団体をはじめとするあらゆる組織が、意思を発信し続けながら世の中の支持を集めるためには、所属する組織の過去、現在、未来について深く掘り下げ、研究することが必要です。それぞれの時代における、自社を取り巻く経済環境、社会の要請、生活者・メディア・市場との乖離、広報への反応を、正確かつ客観的に把握し、次に活かす成果として構築していくことです。これにより、日本社会の成長と真の成熟につながるのです。会社と社会の間に存在する「ギャップ」を分析し、把握した上で練っていく戦略が、会社と社会を変えていくことになるでしょう。

 

その時の「意思」を社会に提示し、価値戦略を見極めて実践してきた歴史にこそ、広報の原点があります。時代感覚と社会構造の変化を捉える力は、いかなる時にも、経営の原動力になります。 企業の社会的責任(CSR)を超えて、社会との共生(CSV)が進んでいますが、本来、企業価値と社会価値は共存するものです。様々な物事や多様な価値観を踏まえ、社会情報が入り組んだ状況を整理し、落ち着いて分析、論究を行うことが、いよいよ広報においても喫緊の課題です。

 

組織の理念に基づく広報活動の重要性とその波及効果を確信し、また昨今の社会環境を世の中の要請ととらえ、学校法人先端教育機構では、企業、団体、官公庁、自治体、研究機関、政治などを対象とした社会情報大学院大学を設立しました。今後は産官学連携の研究を一層高めていきたいと考えています。

 

あらゆる組織において、理念と活動には、まさに未来学ともいえる研究が必要です。長期的社会動向を踏まえ、理念に基づく企業行動を推察し、国民をはじめ社会にどう発信していくか。また、その行動におけるリスク対応を事前に推察し準備できるかが、これからの経営、組織運営の要となることは昨今の社会問題からも明白です。理念に基づく組織の広報の蓄積が、ひいては社会全体の良心となり、人類の未来が拓けるという構想を共有したいと考えます。

 

社会情報大学院大学の考えに賛同を賜り、ご協力ご支援をして頂きながら、本学ではこれからの日本社会の一層の発展の一翼を担いたいと願っております。

特集記事

事業構想とブランドの視座から考える、経営における広報の役割

広報・コミュニケーション活動は、企業なり組織の「理念」こそが出発点。ステークホルダーとの相互理解が進むことで、組織は社会の一翼を担い、事業は円滑に進む。広報の必要性を経営視点から読み解く。

 

社会の中で存在する組織の意思

メディアが発達し、細分化した市場の上に高度な情報化が進む現代社会では、誰もが一次情報に触れる機会を有すると同時に、情報発信者になることが日常のこととなっている。常に情報の発信側に存在した企業などの組織は、従来の考え方を一新し、自らの置かれた状況を察知し把握しながら、社会とのコミュニケーションを通して成長する仕組みを形成していかなければならない。

 

組織を取り巻く「情報」は複雑である。そこで、現状を冷静に分析し、現実社会の動向と、自らの存在価値の接点をとらえることで進むべき道を見出す「広報」の研究と進化が、その突破口になるのではと考え、2005年に月刊『広報会議』(創刊時は『PRIR(プリール)』)を立ち上げ、考察を重ねてきた。

 

自らも経営を通して、広報の重要性を認識するところであるが、昨今の環境下において、企業、行政、自治体を含むあらゆる組織には、ステークホルダーはもとより、生活者をはじめ、広く社会に向けて活動の意思を伝える機運が一層強く求められていると感じている。

 

元来、日本の社会は、社会的意識の高い経営者によって創られてきた。

 

「社会の公器として持続的に事業を営むこと」(『事業構想力の研究』〔2014年〕で著者が言及)こそが、最高の戦略であることは、近江商人の行動哲学である「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の三方よしにもいわれ、数々の企業が研さんし、実践してきている。生涯を通して、社会に対する誠実さと忍耐を貫いた渋沢栄一は、周知の通り「論語と算盤」で経営理念に基づく活動によって利益を追求し、社会に還元することの重要性を説いている。

 

松下幸之助は、企業は社会の公器であることをかかわるすべての人に伝え、組織全体で実践していくために、広報と広聴を重視したという。現在の姿を世間に報告し、来るべき時代に予見される新しい価値を提示することに成功した先人である。事業を構想し、世の中を変えた経営者は、社会に宣言をして約束することで、企業の未来が創られることを、確信していたのだ。

 

理念に基づく広報活動の重要性

各企業は、理念に基づき広報活動を行う必要がある。社会の中でいかに存在するか、この先どの方向を目指すかについて、「広く報告する」広報は、企業経営そのものでもある。企業の意思とも言える理念への理解や共感を得続けることができれば、企業は社会の一翼を担いながら永続的に発展し成長を遂げることになる。実際、もはや社会の共感を得られなければ、企業活動が続けられない時代ともいえるだろう。

 

しかし、常に時代は変化していく。現実の社会の動向と、新たな社会価値の接点を見出す役割が広報に問われているのだ。刻々と変化する社会の中で、企業、行政、自治体、各種機関、団体をはじめとするあらゆる組織が、意思を発信し続けながら世の中の支持を集めるためには、所属する組織の過去、現在、未来について深く掘り下げ、研究することが必要である。それぞれの時代における、自社を取り巻く経済環境、社会の要請、生活者・メディア・市場との乖離、広報への反応を、正確かつ客観的に把握し、次に活かす成果として構築していくこと。これにより、日本社会の成長と真の成熟につながるのである。会社と社会の間に存在する「ギャップ」を分析し、承知の上で練っていく戦略が、会社と社会を変えていくことになるだろう。

 

その時の「意思」を社会に提示し、価値戦略を見極めて実践してきた歴史にこそ、広報の原点がある。時代感覚と社会構造の変化を捉える力は、いかなる時にも、経営の原動力になる。

 

企業の社会的責任(CSR)を超えて、社会との共生(CSV)が進んでいるが、本来、企業価値と社会価値は共存するものだ。様々な物事や多様な価値観を踏まえ、社会情報が入り組んだ状況を整理し、落ち着いて分析、論究を行うことが、いよいよ広報においても喫緊の課題である。 組織の理念に基づく広報活動の重要性とその波及効果を確信し、また昨今の社会環境を世の中の要請ととらえ、学校法人先端教育機構では、企業、団体、官公庁、自治体、研究機関、政治などを対象とした広報専門の大学院大学の設立を志向し、産官学連携の研究を一層高めていきたいと考えている。 あらゆる組織において、理念と活動には、まさに未来学ともいえる研究が必要だ。長期的社会動向を踏まえ、理念に基づく企業行動を推察し、国民をはじめ社会にどう発信していくか。また、その行動におけるリスク対応を事前に推察し準備できるかが、これからの経営、組織運営の要となることは昨今の社会問題からも明白である。理念に基づく組織の広報の蓄積が、ひいては社会全体の良心となり、人類の未来が拓けるという構想を共有したい。